知っておきたい介護のQ&A
Q食事中にむせることが多く、肺炎につながると聞いたのですが?
食べ物が誤って気道に入ることを「誤嚥(ごえん)」といいますが、誤嚥したからといって必ず肺炎になるわけではありません。むせなどの咳で異物を外にだす防御ができればいいのです。健常者でも誤嚥は時々ありますが、肺炎にならないのは免疫力と食べ物を肺の外に出す力があるからです。高齢者とくに要介護者の場合、のみ込む力が弱って誤嚥の発症が高くなります。口の中には、病原菌が潜んでいて、その中には肺炎の原因となる「肺炎球菌」や「黄色ブドウ球菌」などがあります。この菌が肺に入ると肺炎を起こします。食べ物だけでなく、唾液にも菌が含んでおり気道に流れても発症する場合があります。むせの頻度が多くなるなどの症状がある場合はお近くの医療機関に一度相談をしてみてください。
肺炎球菌ワクチンの接種
高齢者の場合、のみ込む力、免疫力の低下で肺炎球菌による感染症にかかりやすく、発症後、急速に重症になることがあります。肺炎で亡くなる方の97%が65歳以上のことから日常的な予防に加え、ワクチンの接種が有効です。接種により肺炎の予防、肺炎にかかっても軽い症状ですむ効果があります。
※ 総務省統計局平成28年人口動態調査から
口の中の細菌を減らす
歯磨き(口腔ケア)が大切です。夜寝る前の歯磨き、歯間の汚れにも気をつけましょう。入れ歯も清潔に保ちましょう。
のどを鍛える「パ・タ・カ・ラ」体操
「パパパ…」「タタタ…」と短く発声を繰り返し、のみ込む力を維持させることが大切です。
のどを鍛えるには会話や歌うことも有効です。
正しい姿勢で食事をしましょう
- 背もたれに深く腰をかけて体を安定させる。
- 足底を地面につける。
- テーブルの位置は肘が90度に曲がるくらいに。
顔が下向き、顎引き気味でのみ込めるように食事をセッティング。